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トップページ > 学ぶ漢方医学 > バランス理論の展開

■バランス理論の展開

プラスに過ぎている、マイナスに過ぎている、あるいはオーバーヒートをさます薬などといっても、あまりにも漠然としていて、これだけでは具体的な治療に結びつきません。それでプラスマイナスという相対的な概念を、いろいろな面に当てはめて考えることにします。
病気の部位についての区別-表・裏
昔は解剖学的な知識が甚だ不完全でしたから、まずからだを日の当たる部位と当たらない部位に分けて考えました。
ヒトはもともと四つ足動物でしたから、日の当たる背中が表、日の当たらない胸と腹が裏ですが、後にヒトは直立したので、頭や顔も表としました。
すなわち上が表、下が裏、背面が表、腹面が裏ということになります。それからからだの内部臓器は外面に比べて裏にな`ますから外表面が表で内臓が裏ということになります。これが第一の相対的分類です。
病気の性状についての区分-熱・寒
次に顔色が赤く、興奮的で、熱状を帯びる人と、顔色が青白く、生気のない様子で、手足の冷えるような人を区別しました。プラスマイナスのイメージからいうと、前者はプラスであり、後者はマイナスです。
前者のようなタイプの人は、感染症にかかると高い熱が出、からだがほてり、発疹がでる場合も赤い大きな発疹が出、痰も濃い痰が出やすく、これに反して、後者のようなタイプの人は、感染症にかかって熱が出ても、寒けを感ずることが多いし、発疹も色がうすく痰が出る場合も痰はうすいことが多いのです。
このように、同じ病気にかかっても、プラスの強い人とマイナスの強い人とでは、病気の性質が変わってくるので、前者の病性を熱とし、後者の病性を寒として区別しました。これが第2の相対分類です。
病勢についての区別-実・虚
次に同じ病気にかかっても、筋骨たくましい頑丈な人は、病気と激しく戦い、症状は一見重篤に見えますが、やがて時がくれば治りやすい。これに反して、きゃしゃな虚弱体質の人は、病気に対する抵抗力にとぽしいから、症状は必ずしも激しくないが、いつまでも治りにくく、予後も芳しくない場合が多いようです。
  前者はプラスであり、後者はマイナスですが、この場合は病勢に対しての積極度・消極度をみて、前者を実と呼び、後者を虚と呼びます。これが第3の相対的分類です。
「証」とその定義
上記のことからもわかるように、この熱・寒、実・虚という概念の中には、体質的なものと症状的なものとが合わせ含まれていますが、これを漢方では「証」(しょう)というコトバでいいあらわしています。すなわち表証・裏証、熱証・寒証、実証・虚証というふうに呼びます。 

これを定義づけると
体質的なものと症状的なものとを合わせて、その人がその時点で表している体況。
熱証 からだや病気が興奮的・亢進的・炎症的な状態
寒証 からだや病気が萎縮的・哀退的・アトニー(筋の緊張が弛んだ状態)的な状態
実証 体力が充実すると共に、排除されるべき病毒も充満していて、病気と力強く戦っている状態。
虚証 体力が虚弱で、病気に対する抵抗力の弱い状態。

  表証・裏証は病気の存在する部位を示しますが、古代中国人の考えでは、病気は次第 に上から下へ、外から内へ進んで、最後は命とりになるという考え方なので、
表証 病気がまだ浅く、頭・頚部・背部・腰部など、体表部に苦痛や症状のある状態。
裏証 病気がそれよりも深く、胸部・腹部など、内臓に苦痛や症状のある状態。

と定義することができます(したがって表証は表の部位に急性症状がある場合に限り、慢性疾患はすべて裏証となる)。

これらを表にすると下記のようになります。
総 括 プラスの状態 マイナスの状態
病 位 表 証 裏 証
病 性 熱 証 寒 証
病 勢 実 証 虚 証

病位の場合、表は比較的狭く、それ以上分ける必要はありませんが、裏は更にこれを分けて、主として胸部を半表半裏、腹部を狭義の裏とします。
監修:東洋医学未病対策研究協会
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